2008年08月分の感想
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海の底
(著:有川浩)  メディアワークス
 海上自衛隊・潜水艦所属の夏木と冬原。新人でも札付きのふたりは祭りの最中に生じた非常事態のためにお子様ばかりと潜水艦内に籠城する羽目になり……。
 一方で非常事態対策班は非常事態への対策に頭を悩ませており……。
 陸海空三部作海編です。

 巨大甲殻類来襲。……でも敵としては、言葉でのやりとりができる分、「空の中」の方がおもしろかったかな。
 正体しれるまではなかなかこわかったですが、ラストの展開では意外と弱いですしw

 国レベルでは各組織が駆け引きあって、押したり引いたり大変みたいでしたね〜。この辺の駆け引きもよかったですね。明石と烏丸のやりとりとか。
 ただ、残念だったのは組織の方は男ばかりだったので燃えはあっても萌えはなかったことでしょうか。キャラ読みする方なので、やはり女性が出てきた方がうれしいのですよ(笑)

 一方で、潜水艦内の新人二人の子守っぷりは楽しかったですね〜。こちらはこもっていれば生活できるからか、意外と緊迫感なかったりして。
 でも、それぞれの事情が語られて最終的にはおちるところには落ちましたしね。
 あ、「クジラの彼」を再読したくなってきました。

 どうでもいいですが……。夏木と冬原って堂上と小牧にキャラかぶってますよね。(あ、出版年から言えば逆か)
評価:4−  08/08/14読了

契火の末裔
(著:篠月美弥 イラスト:鹿澄ハル)  中央公論新社
 精霊の国セアから理化学の町キサへと外遊していた皇子ティーダに突如帰国の指示が出された。ミヤギと名乗る男を共に付けられ、秘密裏に故国へと送り出されたはずのティーダはいつのまにか誘拐されたことになっていて……?
 第3回C☆ノベルス大賞・特別賞受賞作だそうです。

 なんていうか、著者においてけぼりを食らった感じが強かったです。
 文章自体はむずかしくもなく読める部類なのですが、そのわりにページのすすみが遅くて遅くて「どうしてか?」と真剣に考えてしまったり。結論としては、“設定が読み込みにくい!"これにつきました。新語造語は多いですし、人物設定の把握、人物の思惑の把握と頭にとどめておかねばならないことが多すぎる。せっかく冒頭にイラスト付き登場人物紹介があるのだから名前だけでなく、簡単な紹介でも載せておいてくれれば良かったのにな〜。(今、見返したら大陸の状況なんかはちらっと載ってますねw これじゃ足りないけど)

 設定自体はものめずらしい感じでおもしろそうではあったんですけどね。ストーリーも戴冠式前に突如帰国して姿を現さない王候補を巡って複数勢力が暗躍するという展開で先も読めないのでおもしろいとは思うのですが……。主人公のティーダも子供っぽいところはありますが、なかなか忠誠心に篤くてよい子ですし。ミヤギは曲者感がただようおもしろい人ですし。

 良いところはあるので、次は世界設定の説明がうまくいけばおもしろくなるんじゃないかな……と。
評価:3−  08/08/20読了

別冊 図書館戦争U
(著:有川浩 イラスト:徒花スクモ)  アスキー・メディアワークス
・玄田を支える緒方副官。その大学時代の苦い恋とは……(もしもタイムマシンがあったら)
・郁は堂上に昔の堂上と小牧の話をねだり……(昔の話を聞かせて)
・郁がいなくなり、二人部屋を一人で使うことになった柴崎。そこに、同期で士長階級という水島が入室してくる。同じ頃、柴崎はストーカーにつきまとわれており……(背中合わせの二人)

 図書館戦争シリーズ、これで本当に最後の別冊2です。

 一話目。
 緒方さんは玄田さんの存在感が存在感だからいまいち存在感がないな(失礼)って思ってましたが、こんな風な恋をしてらっしゃったんですね〜。意外なところで玄田さんと似てるというか……(笑)本人の経歴自体も意外といえば意外。法律の酷さに気がつけて良かったと言えるんだろうな〜。元敵方でも引き取れる、稲嶺さんと玄田さんの懐の深さがすごいです。
 狙撃手としてちらちら出ている進藤さんとの意外な関係もわかりましたしね〜。
 ストーリーとしては有川作品定番な感じで新鮮味はなかったですが。

 二話目。
 堂上と小牧はやはりいろいろとやらかしてますねえ。堂上はまあ、想像つきますが、小牧も昔はそれなりに隙があったんだな〜と思わせていただきました。
 堂上夫妻と同じ官舎に住んでる人は音とか聞いて「また、やってる」とか思ってるんでしょうねえ(笑)

 三話目。
 そういえば、郁がいなくなったら柴崎は一人なんですよね〜。なんとなく、同期のまあふつうの同僚とすんでそうなイメージがありましたが……。それにしても水島サン、はじめは何となく共感(自分に痛いという意味で)覚えなくもなかったんですが、結果的にはすげえキャラでした。3話目の一話を読んだときには正直言って、ここまで、重くて後味の悪い話になるとはとてもとても想像つかなかったです。
 まあ、最後のエンディングは明るく、後味よく終われたので良かったです(旦那さん、グッジョブb)
 ストーリーとしてはシリアス成分はこれくらいあった方が個人的には楽しめたかな〜。軽い作品も好きですけども。
 それにしても、柴崎はここまで行かないと素直になれないのね〜。意地っ張りもここまで行くとあっぱれな……。まあ、まとまると堂上夫妻とはまた違った味でラブラブオーラが全開ぽいのですしね〜。おしゃまな子供ができあがるだろうなw←気が早い

本編、別冊含め6冊、十分に堪能させていただきました。ごちそうさまでした。(合掌)

評価:4+  08/08/22読了
別冊 図書館戦争T』←




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