2008年02月分の感想
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夜は短し歩けよ乙女
(著:森見登美彦)  角川書店
 「ぼく」はサークルの後輩である「黒髪の乙女」と結ばれるため、偶然を装って出会い続けるが、一方で黒髪の乙女は奔放で……
 いやはや独特の味わいが、最初の数ページはあわないかも〜と思いながら読んだのですが、この味わい、クセになります。ファンタジーノベル大賞 受賞者だそうで、なんだかとっても納得いたしました。

 簡単に言うと、あらすじ通り、純情チェリーボーイな大学生「ぼく」が後輩の純情可憐な「黒髪の乙女」に一目惚れして、彼女と結ばれるために 「やあ、元気? 偶然だね」的な出会いを何度も繰り返す話ではあるのですが……。
 黒髪の乙女が京都の町で出会い続ける奇妙な出来事が非常に楽しかったです。黒髪の乙女が喜々として巻き込まれるもんだから「ぼく」も 飛び込まざるを得ないという……(笑)

 ご託はいいから読め! そして味わえ! てな作品ですね。
評価:4+  08/02/09読了

死神の精度
(著:伊坂幸太郎)  文藝春秋
 一週間の調査期間をもって「見送り」か「可」を判定する死神。彼らは総じて「ミュージック」が大好きらしい
 映画化されるらしいですね〜。
 伊坂幸太郎は初体験でしたが、なんとなく石田衣良に作風が似てるかな〜と感じました。他の作品とか読んだらまた、印象は変わると思いますが。

 短編連作形式は読みやすくて良いですね〜。大好きですよ。(もちろん、じっくり語られる長編だって好きですが)

 この1冊の中では、サスペンス調の「吹雪で死神」と正体を見破られながらも穏やかな日々を送る「死神VS老婆」が好きでしたね。
評価:4-  08/02/15読了

レティーシュ・ナイツ〜翡翠の王女〜
(著:榎木洋子 イラスト:結賀さとる)  小学館ルルル文庫
 グランドリュン国の王女エレンに使えるレティは名門伯爵家チェインバースの末娘。上には兄が3人おり、それぞれ華やかだが、レティはどうにも平凡。
 そんなある日、国外追放となっていたレディ・アンジェラが隣国シードランドの将軍セレオンと共に戻ってきて、城が襲われる。レディ・アンジェラは正当な王家の印とされる銀髪をもつ息子を連れていた。
 一方で、逃亡の中で、レティはある真実を知らされ……。
 榎木さんの新作ですね。B's Logに連載してたらしいですが、大人な事情があったらしく、文庫化はルルルのようです。(そういや、ルルルではもう一本シリーズ持ってますよね〜。積ん読の山に埋もれてますがw)

 えっと、まあ、なんというか毒にも薬にもならない感じのファンタジー小説です。シスコンなお兄様がいっぱい出てくるというちょい昔なゲームにありそうな逆ハー状態ですが。(そういや、榎木さんで逆ハーは珍しいかもね)
 でも、お城をすばやく乗っ取りすぎだろ! とか、ネタバレですが→ずっとエレン王女をやってたファイラスが正体明かしたからってすぐに少年言動になるのか?←とかつっこみどころが満載で、さめちゃいました。
 あと、せめて城に名前ぐらい付けておけ……。レティなどの登場人物が「お城に……」というならまだわかるものの、 地の文で‘お城’ってなっていて興ざめしてしまいました。

 続きは余裕があれば、で。
評価:3  08/02/25読了

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1位『夜は短し歩けよ乙女






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