2008年03月分の感想
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十角館の殺人
(著:綾辻行人)  講談社ノベルス
 四重殺人が起こった孤島をミステリ研究会のメンバー7人が訪れる。その孤島にある十角館ではすでに殺人の準備がととのっていた。予告通りに 殺されていくメンバーたち……そして。
 高名な作品ですね〜。初読です。

 前半の楽しそうなサークルの合宿が始まる風景、そして、殺人ゲームが始まっていっていく風景。
 読み始めは、名探偵コナンのマンガを読んでるような既視感に襲われてましたが、徐々にのめり込んでいきました。

 ミステリは読み慣れてないので、ものの見事にだまされてしまいますね(良い読み手?/笑)
 ニックネームを使ったトリックは「リリカル・ミステリー」シリーズも思い浮かびますけど、あちらの方がファンシーな彩りかなあ。「十角館」は 全体的に怪しげ〜な雰囲気でした。

 今の大学生なら携帯電話を持ってるから、トリックとしては成り立たないかな〜ってきもしますが。まあ、出版年代からしてしょうがないですよね。
 館シリーズの続きも機会があれば読んでみようと思います。
評価:4  08/03/08読了

凍りのくじら
(著:辻村深月)  講談社ノベルス
 ドラえもんを愛していた有名カメラマンの父、芦沢光。その娘、理帆子は病気の母と二人で生きていた。どこも正しい居場所だと感じられない理帆子は 別所あきらという青年と出会う。 彼との出会いは理帆子の救いとなっていくが、理帆子との元・彼氏の存在が事態を大きくかき乱していく……。
 冒頭で号泣、ラストの母が編集した光の写真集のシーンで号泣となんか泣きまくっておりました(こっちの精神状態が不安定だったのも関係してますが)

 「自分の居場所がない」「私はあなたたちより頭がいい」と言いながら現実と対峙しすり減っていく理帆子。見切りどきを間違えたダメ男 につきまとわれながらも、それを切れずにいる、完全なだめんず。
 理帆子には感情移入がしやすかったですね。

 結末はありなのか! って思ったけれど、その前に読んだのが上の「十角館の殺人」だからですかね。テーマがSF(少しフシギ)なのだから、 十分ありですよね。
評価:4  08/03/12読了

白澤(はくたく) 人工憑霊蠱猫02
(著:化野燐 イラスト:toi8)  講談社ノベルス
 教授が失踪したため彼の娘から教授を捜すように頼まれた時実。学園の派閥争いからはずれている彼は教授を捜し始める。
 一方でデータベースのプロトタイプを作るのに協力していた石和は、データベースから外されていたが今になって問題があると呼び出される。鬼神論者たちに襲われる彼女は幻のディスプレイから出てきた白澤に守られる。彼女は、時実、小夜子、白石、龍造寺と合流し戦いに臨む。
 ほぼ1年ぶりのこのシリーズ。
 同じ時間軸を他視点で何度も見ていくから思っていたよりはストーリーは進んでいなかったですね。

 文章が相変わらず、独特ですが、雰囲気が出ていて良いと思います。

 今回で読み手側になるキャラが出そろった感じがしますし、これからストーリーがすすんでいくのかな。
 個人的には今回出てきた石和さんと小夜子さんが好きなのですが、どうなっていくのかな。
評価:4−  08/03/23読了
←『蠱猫(こねこ) 人工憑霊蠱猫01

青年のための読書クラブ
(著:桜庭一樹)  新潮社
 お嬢様学園である聖マリアナ学園。学園で政治を行うのは政治家の娘たち。そして、女子校である聖マリアナ学園でかりそめの王子となるのは演劇部のものたち。そんな学園の辺境と呼ばれる読書クラブの話。
 私にとっては2冊目の桜庭さんです。
 本当は「私の男」を読もうと思ってたんですが、図書館の予約数がすごかったので、こちらになりました。ま、読んでみたかったからですが、もちろん。

 聖マリアナ学園のその起こりから繁栄、滅亡までを読書クラブの目を通して描いたある種の一代記ものになるのかな。桜庭さんも独特の文体をもってますね。味があるなあと思いながら読んでます。
 個人的にはやはりインパクトから一話目が好きですね。
 読んでる途中はもうちょっと細々と思ってたはずですが、やはり間が空くといけませんね……。
 とりあえず、おもしろかったということで。
評価:4  08/03/27読了

刀語 第十一話 毒刀・鍍(めっき)
(著:西尾維新 イラスト:)  講談社BOX
 毒刀にとりつかれてしまった鳳凰。そして鳳凰の忍法と毒刀の力があいまり、作者である四季崎記紀が現れる。彼は、七花にある事実を明かし……。
 いろんなことが明かされる十一話目。

 ロマンチックにもとがめと七花は妙なぐあいなほどに終始、‘刀集め’が終わったらの話をしてましたね〜w ラストで「ああ、やはり」と思ってしまったのは私だけではないはず!
 個人的には会話が冗長にも感じられることがあって、やっぱり、内容は薄いな〜って思ったりしてしまったのですが。
評価:3  08/03/30読了
刀語 第十話 誠刀・銓』← →『刀語 第十二話 炎刀・銃

今月の感想数 5冊

今月のお気に入り
1位『青年のための読書クラブ






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