2008年04月分の感想
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刀語 第十二話 炎刀・銃
(著:西尾維新 イラスト:)  講談社BOX
 とがめと分かれた七花は否定姫の待つ尾張城へと向かう。
 尾張城では、完成系変体刀をかまえた十二人が七花を待ちかまえていた。
 刀語12巻目。ようやく終了です。

 前半のとがめと七花のいちゃつっきぷりは正直、本を投げ出したかったです。ここが楽しいという方がいるのも知ってますが、あまりに本筋と離れすぎというかページ稼ぎというか、個人的には許容量を超えてました。
 ラストの決闘も七花が圧倒的すぎていまいちでしたし。

 12ヶ月連続刊行っていう案自体はおもしろいと思うのですが、この12ヶ月縛りは作者にとってきつかったんだろうなあ、とか初心者に合わせすぎて西尾さんらしさが薄れて、回りくどいだけだったなっておもいますね。

 竹さんと組んでの仕事は2シリーズ目ですが、処女作である戯言シリーズの方が読んでて楽しかった気がします。(戯言も後半、ぐだぐだでしたが)
 ともあれ、西尾さんにはおつかれさまでしたという言葉を贈ります。
評価:3  08/04/01読了
刀語 第十一話 毒刀・鍍』←

遠回りする雛
(著:米沢穂信)  角川書店
・怪談が流れ始めた神山高校。居残りで抱負を書いていた奉太郎の所に現れた里志は怪談を語り、そこに現れた千反田は謎解きを求めるが……(やるべきことなら手短に)
・言いがかりに近い理由で怒られ、数学の時間に切れた千反田。釈然としない彼女はその理由を知りたがる(大罪を犯す)
・合宿に行った古典部メンバーは……(正体見たり)
・千反田にけしかけられ、たまたまかかった放送に理屈をつけることになった奉太郎は……(心あたりのある者は)
・納屋に閉じこめられてしまった奉太郎と千反田は……(あきましておめでとう)
・伊原が里志にあげるはずだったバレンタインチョコレートが消失! チョコ探しをする羽目になった奉太郎だが……(手作りチョコレート事件)
・千反田に頼まれた奉太郎はとある役目を承ることになり……(遠回りする雛)
 古典部シリーズ4作目。短編連作形式ですね〜。

 大きな事件はなく、奉太郎の心の動きに注目している感じで読んでいて楽しかったです。
 短編で一年を巡るので奉太郎が確実に変化していっているというのも感じ取れましたし。

 千反田と奉太郎はホントにいいコンビだと思いますね〜。
 2年生に進級した彼らがどうなるか非常に楽しみです。
評価:4−  08/04/02読了
クドリャフカの順番 「十文字」事件』←

アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭
(著:須賀しのぶ イラスト:駒田絹)  集英社コバルト文庫
 中学2年生の天海陽菜。閉塞感を覚える彼女の唯一の楽しみは、秘密の場所で歌い、そこに現れる存在、マリアにあうことだった。そんな彼女の生活は、 秘密の場所で、湊尚吾と出会ったことで変わっていく!
 須賀さん、新作ですね〜。
 かなりうじうじっとした主人公ですが、これは……これで。たしかにカリエと足して割ったらちょうど良さそうですがw

 ファンタジーですが説明がポイントを押さえられてるので世界観把握もたやすいです。この辺はさすがですね〜。このシリーズは追いかけていくこと決定、 です。

 あとがきの湊と覚野ですが……私は覚野で。これからどう関わってくるのか楽しみなキャラです。彼w
評価:4−  08/04/07読了
→『アンゲルゼ 最後の夏』

マリア様がみてる マーガレットにリボン
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
あらすじ略。
 また、本編進行ではないですね〜。ほぼ完全な番外編でレギュラーメンバーはのりしろ部分しか出てきませんし。

 ま、これはこれでおもしろかったですが。
 個人的にけっこう好きな、水野様が出てらっしゃいましたし。あいかわらずですね〜。鳥居さんもちょっとずつ恋が伸展しているようですし。
 そういえば、修学旅行の裏話もようやく出てきましたねw フィレンツェ煎餅w(なんか、白い風船みたいなのを想像しますw)
 傘もけっこう大冒険をしてたんですねえ〜。祐巳の元に戻ってきたのは本当に偶然が偶然をよんでたんでしょうなあ……。ここまですると傘が意志を持ってるとしか思えない!

 バレンタインのお返しにもきちんと気を利かせる薔薇様方って本当に大変ですよね……。(彼女たちは楽しそうですが)
評価:3+  08/04/09読了
マリア様がみてる キラキラまわる』←

別冊 図書館戦争T
(著:有川浩 イラスト:徒花スクモ)  アスキー・メディアワークス
・毬江がみつけたのはゴミ箱に捨てられた図書館のバーコードシール。それが示すものは図書館図書の窃盗ということで……(明日はときどき血の雨が降るでしょう)
・正月にひょんなことから堂上家におとずれることになった郁。一方で正月明けの図書館には酔っぱらいが居座るという問題が起こり……(一番欲しいものは何ですか?)
・バレンタイン周辺でちょっとしたことでぎくしゃくし始めた郁と堂上。そんな折り、館内で火災が起こり……(触りたい・触られたい三月)
・共同でワンルームを借りるというイベントを視野に入れた郁。しかし、その提案に堂上は渋い顔で……。(シアワセになりましょう)
 4話目の「こらえる声」はあらすじをまとめきらんかったので省略で。

 いやはや、ベタ甘カップルは笑わせてくださいますなあ。特に純粋乙女純粋培養・茨城県産の方。この言い方自体が笑えますがw

 ストーリー自体も図書館の細かな事件が主で読んでてほうほうと思ったりしてましたね〜。
 ああ、そういえば火災の話で、聴覚障害が……ってまたそのネタかよ! って思った覚えが……。対策面では必要だと思うんですけどね〜。音だけじゃなくて目でも確認できる避難装置。
 木島ジンみたいな作家もあの作品世界ならいろいろいそうだけれどな〜。推奨語駆使して頑張ってそうな作家さんが。

 ま、各キャラの暴走が楽しめて非常に楽しかったです、はいw
評価:4−  08/04/20読了
図書館革命』← →『別冊 図書館戦争U

ボトルネック
(著:米沢穂信)  新潮社
 亡くなった恋人を悼み、東尋坊へやってきた主人公。そこで彼は崖から落下してしまう。気がついた彼の周囲は微妙に変化していた。どうやら、ここは彼が 生まれなかった世界のようで……。
 ‘もし’の世界。大概の‘もし’などのパラレルワールドでもこうはならんという後味の悪さが残る作品。

 主人公は‘もし’の世界で、気づいて気づいていろんなことに気づいてしまうのに、もうそのほとんどがどうにもならない域に達してしまっているという後味の悪さ。
 大学生になった今だから、多少は緩和されたけど、高校生の時分に読んだらこの絶望感をもっと衝撃的に受けて留めていたんじゃないかと思う。そういう意味では今読んで良かったな、と思う作品。

 作品としてはよい作品だと思いますよ。読みドキさえ間違わなければw
評価:4−  08/04/27 読了




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