2008年05月分の感想
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阪急電車
(著:有川浩 イラスト:徒花スクモ)  幻冬舎
 片道わずか15分の阪急今津線。その電車に乗り合わせた男女の苦く、時に甘い物語はとは……

 関西在住ではないので阪急電車は観光目的で大阪に行ったときにちらっと乗ったくらいですね〜。向こうは交通網発達してていいわ、ホント(田舎は車がないとやってられない)都会は人の多さがつらいけれどもね。(人混み嫌い)

 電車の中での会話がきっかけになって運命の恋が始まってみたり、一方では女子高生の話を聞いて、別れを決意してみたり。一方では寝取られ女が敵地に乗り込んでみたり。甘かったり苦かったりしょっぱかったり、いろんな話がつまってますねえ。
 個人的には友達と席取りしていた女の子の話が痛かったかな。田舎路線だとあれって普通になってしまってるのだけど(人が乗らないので)、本来はマナー違反、人が来たらのけましょうと言うことは頭に置いておきたいですね。

 かっこよかったのは敵地に乗り込むお嬢さんですね〜。こんなことはぜったいできないのでひたすらすごいな・・と。そんな彼女にずばっとアドバイスしちゃうおばあさんもかっこよくて好きでした。ああなりたいわ。

評価:4−  08/05/24読了

チーム・バチスタの栄光
(著:海堂尊)  宝島社
 東城大学医学部付属病院は、米国の心臓専門病院から心臓移植の権威、桐生恭一を臓器統御外科助教授として招聘した。彼が構築した外科チームは、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門の、通称”チームバチスタ”として、成功率100%を誇り、その勇名を轟かせている。ところが、3例立て続けに術中死が発生。原因不明の術中死と、メディアの注目を集める手術が重なる事態に危機感を抱いた病院長・高階は、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口公平に内部調査を依頼しようと動いていた。壊滅寸前の大学病院の現状、医療現場の危機的状況、そしてチーム・バチスタ・メンバーの相克と因縁。医療過誤か、殺人か。遺体は何を語るのか・・・。栄光のチーム・バチスタの裏側に隠されたもう一つの顔とは。(帯より)

 有名な作品は気になると読んでみます。
 この作品は特におもしろかったですね〜。さすがにもてはやされただけある。

 何がおもしろいかというとやはり白鳥……といいたいところだけど、ありふれすぎてるので田口さんをw 映画では女性になってましたが、小説ではさえない男性ですね。やる気のない医師で、本人もそれは十分わかっている。学生時代からどうさぼるかをしており、現在では不定愁訴外来などというものを開設し、のんびり過ごしている。やる気がなくてもそのやる気のなさを保つためにはそれなりに努力しているところがすごいのですよ。そのうまい力の使い方(要領の良さともいう)が、どうにも私にはできないから。

 そして、そんなやる気のない田口先生にさえやる気を出させたという優秀な医者、桐生。そのチームメンバーもそろってくせがありつつも優秀。田口は自分の聞き取りだけでは結局、煮詰まってしまう。
 どうするだ!というところで、満を持して登場するのは厚生労働省の厄介者でロジカル・モンスター白鳥。彼が出てきたぐらいから本格的に先が気になってきます。毒舌と回りくどい会話で相手をイラッとさせながらひたすら翻弄し、最後には真実を導き出していく白鳥にはひたすら白旗をあげるしかないです。……こんなひと本当にいたら近づきたくない。

 個人的には不定愁訴外来看護師(60歳過ぎ)が好きでしたね〜。美味しいキャラだ。
 あとは、泣き虫の氷姫こと姫宮さんも話題ばかり出て本人が出てこないので気になります。

評価:4−  08/05/24読了




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