2007年10月分の感想
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クドリャフカの順番 「十文字」事件
(著:米沢穂信)  角川書店
 文化祭当日。古典部の前に積み上げられるは大量の文集であった。手違いで大量に作ってしまった文集を売り捌くため、古典部メンバーは 文化祭を駆けめぐる。
 古典部シリーズ3作目。今回は文集を売り捌け! が基本ミッション。もちろん十文字事件に関する謎も……。

 古典部メンバー4人それぞれの一人称で進行していくのがこれまでと違いますが、これが大正解な感じですね。それぞれの想いと、それによって だす結果が違って非常におもしろかったです。
 文集を売り捌け! って言いながらもみんな、それぞれの形で文化祭を楽しんでますからね。彼らを通して文化祭を楽しませていただきました。

 タイトルに関してはなんで「クドリャフカ」? と思ってましたが、知ってみるとたしかにほろ苦い結末でした。(この辺はbk1の書評に詳しいです→ コチラ)自分がもってなくて、自分が欲しいものを持っている相手。だからこそ相手に期待してしまう。 けれど、相手はそんなことに興味はなく、きっと別のものをうらやましがっている。
 青春というかなんというか……ほろ苦い……。
評価:4+  07/10/06読了
愚者のエンドロール』← →『遠回りする雛

マリア様がみてる 薔薇の花かんむり
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 せまる卒業式。そして、恒例の送る会。
 そして、祐巳と瞳子がついに……
 ああ、しかしようやくですね。
 ここまで、長かった……。まあ、祥子とマリア様の前で儀式ができて良かったといえるのではないでしょうか。

 そしてようやく姉妹になったと思ったら、卒業式とか送る会とかで忙殺される姉妹……。ま、平和呆けしなくていいのかもですが。
 演劇部の部長さんもタイミングやらなんやらが違えば瞳子のお姉さんとなってたでしょうねえ。

 一方で祥子様もなにか忙しい様子ですし……どうなるのかな。
評価:4−  07/10/08読了
マリア様がみてる フレームオブマインド』←  →『マリア様がみてる キラキラまわる

空の中
(著:有川浩)  メディアワークス
 日本の空、高度二万メートル上空で二度にわたって航空機が謎の爆発炎上を起こした。 日本航空機設計事故調査委員として春名高巳は岐阜基地へ赴き、二度目の事故の際に一緒に飛んでいた武田光稀とともに事故解明へ動き出す。
 一方、航空機事故で父親を亡くした瞬は、浜でクラゲのようだが全長1メートルもある謎の生物と遭遇していた―
 というわけで、空の中です。

 大人の視点、子供の視点、謎の知的生物の視点、それぞれの視点が交錯しつつで楽しめました。
 年齢的に大人の視点の方に寄って読んでしまうので、子供たちが大人に対抗しようといっぱいいっぱいに見えてしまいましたが、 無事に信頼できるものと大人の力を借りてのハッピーエンドで良かったですね。

 「クジラの彼」を先に読んでしまっているので、春名高巳と武田光稀の恋の行方も気になって読んでましたね。どうなるかは知ってるだけに 光稀さんがやっぱり非常にかわいかったです。
評価:4+  07/10/18読了
クジラの彼

夜のピクニック
(著:恩田陸)  新潮社
 修学旅行のない高校。しかし一夜を歩き通すという行事、歩行祭がある。
 その歩行祭で貴子は仲の良くない異母兄弟の融と話すというカケをしていた。成立する可能性が高いそのカケは果たして成立してしまう……。
 本屋大賞受賞作品ですよね、たしか。
 学校の図書館でみつけたので借りてみました。

 友人たちと一夜を歩き通すというだけの祭りであるにもかかわらず、その一夜が特別なことで大切な思い出に代わるんだろうなあと思わせてもらいました。
 いうならば、青春を追体験しているというか……。
 実際に存在する行事だそうですね……。きつそうですが、ちょっと参加してみたいです。
評価:4−  07/10/27読了

ラジオガール・ウィズ・ジャミング
(著:深山森 イラスト:BUNBUN)  電撃文庫
 戦争の後、軍によって放送規制がしかれた街で、海賊放送を続けるレコリスとダニエル。街の人々の温かい好意で続けられる放送だが、 国には戦争の爪痕が残り、残党が地区をかき回そうとする。
 工事現場から盗まれた爆薬。それが街に仕掛けられていると知ったときレコリスは・・・
 電撃大賞かなんかの受賞作だっけ・・・(第十二回電撃小説対象にて落選した作品に、大幅な手直しを加えた作品だそうです)

 鋼の錬金術師ぽい世界観ですね。
 街の人に愛される海賊放送と、レコリスとダニエルの疑似家族の話。そして国の話という感じかな。
 街の雰囲気なんかは好きでしたね〜。

 おもしろかったのですが、なにかに突き抜けたものはないのかも……。感想という感想が思い浮かばないです。
 あ、いやでも楽しめたのですけどね。
評価:3+  07/10/31読了

今月の感想数 5冊

今月のお気に入り
1位『クドリャフカの順番 「十文字」事件


読了数少ないながら優秀な月ですw



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