2006年2月分の感想
  トップ 目録 



池袋ウエストゲートパーク
(著:石田衣良)  文藝春秋
 池袋西口公園。そこは少年たちのたまり場。ケンカを売り、ケンカを買い、女をナンパし、女はナンパされようとする。
 そんな町、池袋のちんけな果物屋に生まれ、池袋をホームタウンとして育ったマコトが、池袋の町に起こる事件解決に挑む。
 むかし、ドラマがありましたねえ、コレ。ドラマは興味がなかったので見ていませんが、ドラマになってたなと思いだしながら、 図書館で借りてきました。

 池袋の街自体は実際の池袋に沿って書いているのだと思いますが、いかんせん、東京には行ったことがないので、 私にとっては架空の街に同じ・・・。
 語り口が軽快で読みやすいです。登場人物も割と個性的。話の内容と相まって割と若者向けだと思いますね。

 個人的に好きなのは4編目の「サンシャイン通り内戦」でしょうか。

 イラストを付けるとしたら……誰だろう。あまりマンガ絵ちっくじゃない人がいいなあ。
評価:3+  2006/02/04読了
→『少年計数機 池袋ウエストゲートパークU

天にマのつく雪が舞う!
(著:喬林知 イラスト:松本テマリ)  角川ビーンズ文庫
 魔族とは敵対する人間の国、大シマロン。そこで、知・速・技勝ち抜き!天下一武闘会(略してテンカブ)が開催されるという。 もし優勝すれば望むものが与えられると聞きつけたユーリたちは今回の事件の発端となった最終兵器(らしい)「風の終わり」を返してもらおうと 思いつき、カロリア代表として参戦することにする。
 シリーズ8巻目。

 読み終わっての感想はやはり「次男〜!」でしょう。
 ここに来て登場。しかも××。(しかもアレついてるし)
 え〜!という感じですね。それまでの展開は少々きな臭くても今まで通りっぽく進んでいたのでとくにそう感じます。

 か、彼なりに事情があるに違いない。

 あ〜、と切り替えて。
 他は今回もクイーン・オブ・ザ・シープ。羊の中の羊、Tゾウちゃんに笑わせてもらいました。
 名言「走らないシツジはただのシツジ」を残したシープマスターメリーちゃんもなんか好きですが。

 ヨザックは今回、ムードメーカー兼3人のお守りな感じで任務が重そうですが。
 それにしても、3男、急に男前になったなあ……。
 謎々言ってたムラケンの秘密はわかってもそんなに驚かなかったり。何でだろ。

 居残り組は〜。
 アニシナさんにグレタを教育させると本当に何が起こるか分からないですねえ。
 長男&教育係も壊れてるのでこの二人でも何が起こるか分かりませんが。
 ユーリ、早く帰ってやれ、ということで。
評価:4−  2006/02/07読了
いつかマのつく夕暮れに!』← →『地にはマのつく星が降る!

地にはマのつく星が降る!
(著:喬林知 イラスト:松本テマリ)  角川ビーンズ文庫
 魔族とは敵対する人間の国、大シマロン。そこで開催された、知・速・技勝ち抜き!天下一武闘会(略してテンカブ)に出場したユーリたち一行。  最終戦まで持ち込んだが、そこで予定外の人物が現れて……。
 シリーズ9巻目。

 う〜ん、なんだかもやもやもや………。ひとえにあの人のせいですが。う〜ん、彼は彼なりに事情があるんだろうけどなあ。
 ユーリが聞きそびれてしまったのは痛い気がするなあ。彼はそのことに実はかけていたんじゃないかなと思ったり。(的はずれ?)

 まあ、それ以外にも上様ユーリの変化やら、ユーリの風邪症状とかアーダルベルトやら、気になることは盛りだくさんですが。次巻以降に 持ち越しですね。
 ユーリとフリンはまあ、これからも関係は続くんじゃないでしょうか。一国の主同士、もう、そう何回も会うことはないとも 思いますが。
 う〜ん、ラストの骨魚どん。(見るだけで骨密度がアップするらしいレアな生物)微妙な伏線回収に思わず笑ってしまいました。 ……世界中の骨粗鬆症の人に見せて歩かなきゃですね。
評価:3+  2006/02/07読了
天にはマのつく雪が舞う!』← →『お嬢様とは仮の姿!

東京ANGEL スタートライン―Start Line―
(著:本沢みなみ イラスト:宏橋昌水)  集英社コバルト文庫
 拾われた拳銃を取り戻せという指令に『力』が使えずに失敗した尚也。尚也とパートナーである聖がターゲットの元に到着したときには拳銃は違う人物 に奪われていた。『組織』は新たな暗殺指令を送ってくるが、時を同じくして、尚也の弟や福岡時代のクラスメートたちが東京へとやってきていた。決して 偶然ではなく。
 尚也と聖の試験期間は終わりを告げ、次なる試練が始まる……。
 シリーズ25巻目。これが、最終巻ですね。

 あ〜、あまりにこちらの予想が外れなくてつまらない。某次男ほど突飛な行動は取っていただかなくてもいいんですが(引きずってるらしい) 少しぐらいは予想外の行動を取って欲しかったなあと思います。
 これはシリーズ全般通してなのですが、「暗殺」なんて物騒なことしてる割には、主人公がすごく脳天気というか、抜けているというか。今回の冒頭の 事件だって、『力』に頼らないようにしとけば、問題なかっただろうに。はあ。
 →それにしても、決心が鈍らないようにとかそういう配慮なのかもしれないけれど、 あのままいきなり福岡に戻るのはどうなのか。せめて、高校生活を終わらせてから……とか。高3の新学期からとかキリの良いときがあるだろうに。 あのままだと東京の面子(特に山崎)が黙っていそうにはないんですが。
 あ〜、まあこのシリーズも無事に終わったので、『新世界』の続きに期待しておきます。
評価:3  2006/02/09読了

深き水の眠り 月光の淵
(著:毛利志生子 イラスト:藤田麻貴)  集英社コバルト文庫
 次々と不思議な事件に巻き込まれる沙月は次第に周囲の生徒から浮き始めていた。
 そんな中、沙月は汀と出会う。汀は蛇巫だったが、ある事情から水蛇を食べてしまい、不老不死になってしまい、その不老不死を 解くために、成瀬の当主を訪ねてきたのだという。沙月は汀を玻瑠佳の所に案内するが、そのとき、吼が水蛇を閉じこめる水晶に閉じこめられてしまう。
 沙月は担任である地学教師、前田に誘われて仮入部した地学部の文化祭準備の手伝いをするため、 学校に通うが、その学校でまたも怪奇事件に遭い始める
 シリーズ3巻目。
 前半は正直言って読むのやめよっかなという感じだったんですが、中盤に入ってからは読みやすくなりました。どうやら、私は準主役のあの人が 苦手らしいです。準主役というか主役の片割れなのに。困ったものです(笑)

 今回のテーマは不思議な力を得た者の葛藤ってとこでしょうか。
 沙月は何の用途に使役するでもなく吼をそばに置いているわけで、吼を水晶から出すべきか否か非常に迷うわけですが、葛藤ですねえ。 でも夢で吼の最初の持ち主である彩姫と沙月が話すシーンで彩姫と沙月の吼に対する用途は、ほぼ同じな気がしました。吼があんなに 強いのにも納得。
 静河さんと沙月が話すシーンで静河さんの玻瑠佳さんに対するスタンスも納得でした。

 ストーリーは今回も良かったです。気づかないままに水蛇を生み出して操ってしまうのがどういうことか、その恐ろしさ。
 何より、沙月の力も含めて認めてくれる友人が再びできたことが良かったな……と。友人さん、ちょっと誤解してますが。(でも ‘守護霊’も完全な間違いじゃない気がする……)
評価:3+  2006/02/11読了
まどろみの闇』← →『琥珀の夢』→『硝子の枷(上)

お嬢様とは仮の姿!
(著:喬林知 イラスト:松本テマリ)  角川ビーンズ文庫
 アメリカの上流階級のお嬢様、エイプリルはお嬢様とは別の稼業も持っている。それはトレジャーハンター。今は亡き偉大な祖母の跡を継いだのである。
 その祖母がある人に預けていた「箱」。それは時代の流れでドイツ軍に没収されてしまった。その禁忌の箱「鏡の水底」を取り戻すため、 エイプリルは相棒たちとともにドイツへ飛ぶが、そこで「箱の鍵」の持ち主と名乗る青年将校と出会い、行動をともにすることに……。
 シリーズ10巻目はマのようでマではないような。『ブギーポップ』と『ビートのディシプリン』の関係というのが近い気がする。
 まあ、そんなことはどうでもいいんですけども。

 とりあえず、「○○〜!」と叫んでみる。(まだ引きずっている&精神が変なモードに入ってます……)

 さて、内容で行きましょうか。内容で。
 面白かったですよ。ストーリーはマよりはギャグ控えめで、テンポ良く進んでいきます。
 そして、ばらまかれる謎。あ〜、ちゃんと全部が明かされるんでしょうか。ちょっと心配。
 そして、キャラ。エイプリル、かっこいい〜。男前なヒロインは大好きなので大歓迎です。 マの方は男ばかりだからなあ。(一部女性もいますが)
評価:4−  2006/02/13読了
地にはマのつく星が降る!』← →『めざせマのつく海の果て!

深き水の眠り 硝子の枷(上)
(著:毛利志生子 イラスト:藤田麻貴)  集英社コバルト文庫
 友人の代理で東西テレビの郵便物の分類をするアルバイトを始めた沙月。そこには無口な蘇我トオル、 女優志望で沙月には冷たい楢崎英麗奈というメンバーがいた。そして、ヘアメイク・アーティストの加賀見漣は何かと沙月をかまう。
 人気ドラマ「花迷宮」に出演する俳優や女優とも知り合う中で、東西テレビでは事故が多発していた。事故現場に一度居合わせた沙月は そこに水蛇の影を見ていたが。
 シリーズ5巻目です。
 前巻『琥珀の夢』がなかったので借りてこなかったのですが、このシリーズは一作完結なのであまり気にせずに読むことが出来ます。

 今回は登場人物が多いためか、あまりラブラブを感じずに負担なく読めます。(ラブ好きには不満なんでしょうけど)
 この上巻は前半ということもあってか登場人物紹介と事件概要、という感じですね。アニメのコナンでいう前編状態です。
人間ばかりで水蛇が前面に押し出されていないせいか、いつもよりもサスペンス調に感じました。
 今まで事件が学校で起きていたので少女少女した感じがどこかに漂っていたのですが、今回は大人ばかり 出てくるので、サスペンスな感じなんでしょうか。元々、毛利さんの筆致はサスペンス向きなのでよけいにそう感じるんでしょうか。
 沙月と吼もなんだか転換期のようで。ん〜、でもちょっと唐突に感じたような気がします。
 最後に出てきた、あれの展開が気になるなあ。引きで一応終わってますし。
評価:3+  2006/02/17読了
月光の淵』←『琥珀の夢』← →『硝子の枷(下)

深き水の眠り 硝子の枷(下)
(著:毛利志生子 イラスト:藤田麻貴)  集英社コバルト文庫
 東西テレビに巣くっていた水蛇に襲われかけた沙月、しかし彼女を危ういところで漣が救ってくれる。彼は玻瑠佳の親戚であり、 特殊な水蛇を従える蛇巫だった。彼が、水蛇を消滅させたことで事件は終わったかに思えたが、 そんな中で人気ドラマ「花迷宮」に出演している女優、筒井真吏のマネージャー林文彦が殺されてしまう。
 シリーズ6巻目です。

 前巻感想の時はサスペンス、サスペンス言っていて、まあそうも感じるんですが、結局、幼なじみで因縁のある人がどうのこうのというわけで、 実は『まどろみの淵』と同じ?とも思ったりしました。まあ、違うところもたくさんありますが。
 相違点の筆頭、漣さん。そういう秘密をお持ちですか。大きい秘密の面でも小さい秘密の面でも、彼を吼が止めたのは良かったのではないかと思います。 彼にはいつか再登場して、沙月ちゃんたちと話して欲しいですし。

 そんでもって吼。あ〜、もういいや。ラブってて、って感じですか。まあ、初期より読んでてもイライラしなくなったのでよしとしようかと。
 そして、沙月の親友、由真ちゃん。静河が玻瑠佳に必要だと思っていたのはこういう友達だったのかな、と思ったり。まあ、沙月経由で 彼女も友達になっているようですから3人で仲良くやればいいんではないかと。

 ストーリー自体というか犯人の心情がやるせないというか悲しいというか。水蛇自身に情報が与えられないとそういうことも 起こってしまうのだな、と思ったり。まあ、殺された人たちは因果応報な面も強い気がしますが。
評価:3+  2006/02/19読了
硝子の枷(上)』←

めざせマのつく海の果て!
(著:喬林知 イラスト:松本テマリ)  角川ビーンズ文庫
 シマロンとのごたごたの後、とりあえず地球に帰還していた渋谷有利。しかし、眞魔国のことが気になってたまらない。悶々とした日々を過ごしていた ユーリはムラケンの学校のプールからついに眞魔国へとワープすることに成功する。
 そして、眞魔国では謎の王国、聖砂国との問題に直面していることを知らされる。
 シリーズ11巻目。前巻『お嬢様とは〜』を勘定に入れなければ10巻目です。

 新章突入、ギアをトップに入れるためスピードダウン、という感じですか。伏線もいろいろばらまかれているようですし。
 特筆すべきは長男大活躍ですよね、やっぱり。でも私の頭の中ではあみぐるみが趣味の人とぐっちゃになってたり。どっちがどっちだっけ・・・。 まあ、いいや。三男も男前度が上がってきてますねえ。わがままプーも良かったですが。(彼の場合、この前段階があったので覚えてるのです)
 う〜ん、ユーリの彼女志願者さんもなんか裏にありそうな気はしますねえ。(推察する気はない)
 新キャラ王様は露骨に怪しすぎる。ユーリ、あんたお人好しすぎだよ。というかこの王様ってたぶん○○ですよねえ。ユーリ、大丈夫なんだろうか。 レッツ続き! と思ったら次巻は短編集か。
評価:3+  2006/02/21読了
お嬢様とは仮の姿!』← →『息子はマのつく自由業!?

マリア様がみてる いばらの森
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 高校生活の日常イベント期末試験。その期末試験期間中に驚くべき噂が流れた。リリアン女学園をモデルにしたと思われる 自伝的小説が出版され、しかもその作者は白薔薇さまだというのである。
 祐巳と由乃は真相の究明に乗り出すが……。
 シリーズ3巻目。

 紅、黄、で次は白薔薇さまですね。
 言動がオヤジな女子高生、白薔薇さまの本名発覚。たしかに普段から「ロサ・ギガンティア」とか呼んでいるんだったら、 本名は覚えにくいだろうなあ。私も祐巳と同じで他人のパーソナルデータの容量がわりと少ない方なので特にそう思います。
 そんな白薔薇さまの過去話。う〜ん、でもそういう傍目に分かる話だったのなら、小説のウワサが広がるのは それを知らない祐巳たち一年生の間ではなくて、目撃はしたけれど〜な二年生の間ではないのかな、と思ったり。(栞さんのことは あっても、彼女は既にいないわけですし)
 まあ、そんなリアリティはともかくとして、白薔薇さまと祐巳の掛け合いが非常に楽しいです。この二人が姉妹なのでは、とか 思ってしまうほどですが、白薔薇さまにとっての姉妹は志摩子で祐巳にとっての姉妹は祥子さんなんですよね。祐巳が姉妹をそれぞれ 比較しているのも印象的でした。

 由乃さんの強行的な行動が結果的に真相判明に行きつくわけですが、まあ、この結末は予想できなくはないですね。時代は繰り返すって 所でしょうか。「いばらの森」の二人の方が行動してしまった分だけ重みがある気がします。別に白薔薇さまと栞さんの場合が軽いと言うのではなくて 逆に白薔薇さまと栞さんのほうが精神的にはキツかったのではないかなと思いますが。

 2話目の白き花びら。白薔薇さまの今との違いにびっくりです。う〜ん、薔薇さま方ほど密接な関係ではない 周囲の人(クラスメイトとか)は変貌にビックリしたのではないかと思います。

 これは本編には全然関係ないですが、東京では早売りなんてあるんですよね〜。いわゆるフラゲ(フライングゲット)ですか。 私みたいに片田舎に住んでて本の入荷が二日待ちが普通の人間には発売日に売られるだけでも羨ましいのに、さらに早く売られるとは…… 東京、恐るべし。
評価:4−  2006/02/22読了
マリア様がみてる 黄薔薇革命』←  →『マリア様がみてる ロサ・カニーナ

マリア様がみてる ロサ・カニーナ
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 年が明けての3学期。祐巳たち下級生もそろそろ3年生の卒業を意識し始めている。そんな中で、来年度の生徒会役員選挙が行われることになる。 例年では実質つぼみたちの新任投票ということになる生徒会役員選挙だが、今年は「ロサ・カニーナ」と呼ばれる生徒も立候補すると言うことで……。 (ロサ・カニーナ)
 大好きな祥子さまに会えないお正月。だらだらと家族と過ごしていた祐巳は、白薔薇さまからお誘いをうけるのだが……。(長き夜の)
 シリーズ4巻目。

 話の本筋そのモノは相変わらずベタですね。(まさかロサ・カニーナが→蟹名←から来ているとは思いませんでしたが) それでも読ませてくれるのはキャラの心情がうまくかけているから……。志摩子さんがぎりぎりまで悩んだこと。祐巳が祥子さまを紅薔薇さまに取られたように 思ってしまうこととか。
 ロサ・カニーナがどうしていきなり立候補したかの裏事情にはすこし驚かされました。
 あとは白薔薇ファミリーの淡泊さの理由というかそういうところが少し引っかかるんですよね。説明求むという感じです。

 2話目。
 祐巳の弟、判明。年子で同学年。あり得なくはないけども実際にはお目にかかったことがないですね。ちょっと見てみたい。 実際には違う学校に行っているけれど、同じ学校だったら「双子?」って聞かれまくるのだろうなあ。 そして、姉弟そろってめんどくさい先輩と知り合いだなあ、と思いました。
 白薔薇さまの運転は……怖そうですね。助手席は遠慮したいです。
 なかきよ、は私もまったく知らなかったです。江戸自体くらいに宝船に七福神を描いた紙が売られていたというのは聞いたことがありますが。 めちゃくちゃマイナーな風習なんでしょうか。
評価:4−  2006/02/22読了
マリア様がみてる いばらの森』←  →『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)

マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 2月14日。日頃の思いを伝えるチャンス! リリアン女学園ではあこがれのお姉様にお菓子を渡すためさまざまな人々が行き交う。 しまいには一大イベントを逃すかと新聞部まで動き始めた……。その中で祐巳は……。由乃は……。(びっくりチョコレート)
 黄薔薇姉妹。プロ並みのお菓子をつくる令。そのお菓子は……。(黄薔薇交錯)
 シリーズ5巻目。

 私も女子校だったので、バレンタインにはお菓子が飛び交ってましたねえ。別に気合い入れて手作りというわけでもなかったですが、 楽しかったです。懐かしい。

 そして、ヴァレンタインを一大イベントに仕上げてしまう新聞部というか三奈子女史。侮れませんねえ。……このイベント面白そうです。 参加してみたいわあ。

 祐巳が祥子さまに渡そうか右往左往することでまたも三薔薇の違いが浮き上がりますねえ。由乃ちゃんの悩みも面白いです。結局、令には 何の意図もなかったところがなんというか……。白薔薇さまの所はやはり淡泊なんですねえ。それなのにチョコは欲しがる白薔薇さま……。でも、 いくら祐巳がまぎらわしい行動を取ったからと言って確かめずに食べてしまうのはどうなんでしょうか……。一方の志摩子ちゃんは 新たな一面を見せてくれた感じですねえ。
評価:4−  2006/02/23読了
マリア様がみてる ロサ・カニーナ』←  →『マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)

マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 ヴァレンタインでつい言ってしまったデート券。祐巳と祥子のデートは実現することになって……。(ファースト デート トライアングル)
 祥子の隠したはずの紅いカード。競技中には見つけられなかったカードの行方とは……。(紅いカード)
 ヴァレンタイン当日を紅薔薇さま視点から……。(紅薔薇さま、人生最良の日)
 シリーズ6巻目。

 祥子さまの一般人とのズレが面白かったです。いちいちいいんですか?と尋ねる祐巳も面白かったですが。 祥子さまが祐巳のファッションをまねようとする姿が何となく可愛いなあと思いました。
 由乃ちゃんに訴えに行くちさとさん。バイタリティがあるなあと思いました。でも、彼女の怒りもすごくわかりますね。 自分とのデートの時くらい、自分を見て欲しい……と。
 志摩子ちゃんの内面も分かるようになってきました。祐巳視点だとしっかりもののようですが、意外にも繊細ですよね、彼女。そして、 ばっちりのタイミングで登場する白薔薇さま。美味しすぎです。

 前巻で競技中には見つからなかった紅いカード。びっくりチョコレートのラストからそんなところかなあとは思っていましたが、やはりですねえ。
 美冬にとっては特別だった祥子の存在。彼女がもしも半日デートを実現させていたらどうなったでしょうか。結末を知ってはいても 読みながら、何度も今行けば、今行けば……と思ってしまいました。
 でも、自分の気持ちを見つめ直した彼女は今よりは少し祥子さまと親しくなっていけるでしょうから、それでいいんでしょうね。

 本編には関係ないですが、紅薔薇さま、お気持ち分かります!(笑) そのときは洋式便器の方が断然楽な気がしますし。 ……でも、あのときに紅薔薇さまがいたんだなあ。顔を合わせていたらどうなったことやら……。
評価:4−  2006/02/25読了
マリア様が見てる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)』←  →『マリア様がみてる いとしき歳月(前編)

マリア様がみてる いとしき歳月(前編)
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 卒業式直前。どうやら黄薔薇さまの様子がおかしい。複数の男性とつき合っているようなのである。そんな中で久しぶりに顔を合わせた黄薔薇さまは 黄薔薇革命の時のような気怠げな様子になっていて……。(黄薔薇まっしぐら)
 薔薇さま方の卒業。もとい3年生の卒業のためのお別れ会の準備で次期山百合会のメンバーたちは東奔西走している。そんな中で、山百合会内部のみの お別れ会もしなくてはいけないと祐巳たちは準備に余念がないが……。
 シリーズ7巻目。

 人生退屈だらけな黄薔薇さま。そんな彼女の見つけられてしまったおもちゃこと4人目の男性。二人の今後も微妙に気になりますねえ。彼がリリアンの隣の 花寺の教員なので、黄薔薇さまの卒業後の再登場はありそうな気もします。それにしても黄薔薇さま家族の過保護っぷりはすごいですね。 黄薔薇さまじゃなくてもイヤになる……。

 祐巳の一杯一杯さ加減がすごいですね。私だとどこかで息抜きをしてしまうので、こうはならないのですごいなと思いました。 倒れる前に気づかなきゃいけないですけどね。
 それにしても、祐巳の隠し芸には笑わせていただきました。欲を言えば、挿絵が欲しかったですが(笑) そういえば、祐巳に教えた、祐巳の弟も1回は踊っていると言うことですよね……。どういうシュチュエーションだったんでしょうか。
評価;4  2006/02/26読了
マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)』←  →『マリア様がみてる いとしき歳月(後編)

 今月の感想数 14冊



一番上へ   トップ 目録