2006年11月分の感想
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マリア様がみてる 真夏の一ページ
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 もうすぐ二学期が始まるという夏休みのある日、山百合会では祐巳主催による秘密会合が行われた。その目的は学園祭での恒例となっている 花寺学院とのお手伝いのやりとりに先立って、紅薔薇さまこと祥子の男嫌いを克服しようという作戦だった。(略してOK大作戦(仮))
 白薔薇姉妹はマリア観音を見に殿方とおでかけするらしい。その情報をお姉様である築山三奈子からリークされた山口真美は待ち合わせの 噴水を臨める喫茶店で元からいたオジサマと相席するのだが……。(おじいさんと一緒)
 夏休みの1日を描く、令の日記を元に由乃と令の掛け合いが楽しい(黄薔薇☆絵日記)
 まり見て13巻目。

 12巻の時に予想した各姉妹での夏休みの過ごし方短編のほうですね。

 略してOK大作戦は今までに比すると圧倒的に野郎共大増量。大男に女男にちんぷら風におたく、花寺学院の生徒会が気になってきてしまいました。
 一方での祐巳たちの作戦の練り方はいつも通りで楽しいですね。作戦練り上げてあとは実行!というところで 秘密が守りきれなくなってお姉様とやりとりをする祐巳にはごちそうさまですという言葉を。

 おじいさんと一緒は白薔薇姉妹がターゲットと見せかけて実際は七三分けこと真実が主人公ですね。お姉様である築山三奈子嬢と一緒にいると 限りなく冷静に突っ込み役に徹しているくせに、単独行動になるとけっこう大胆な真実さんはやはり三奈子嬢の妹ですね……。
 ひそかに志摩子さんとお父さんのやりとりには笑ってしまいました。「うわあ」だなんて志摩子さんでも家にいると言っちゃうんだなとか。 このお父さんにはまたちらっと出てきて欲しいところ。

 黄薔薇姉妹。
 まあ、このやりとりは黄薔薇姉妹こそですしね。笑って楽しみます。

 全体的にはいつも通り楽しかったのですが、そろそろマンネリ感を感じるので、評価点は3で。(最近評価が厳しい……)
評価:3  06/11/01読了
マリア様がみてる 子羊たちの休暇』← →『マリア様がみてる 涼風さつさつ

マリア様がみてる 涼風さつさつ
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 リリアン女学園では恒例となっている、お隣の男子校花寺学院との間での生徒会が学園祭を相互で手伝うという仕組み。そのため、 今年も、花寺学院生徒会との顔合わせが改めて行われた。  リリアンの薔薇アンドつぼみたちも学園祭準備のために忙しくなりつつあり、祐巳も例外ではなかったが、一方で一年生の可南子という少女と 祐巳のウワサが出回り始める。  そんな中で、花寺学院の学園祭が行われ……。
 まり見て14巻目。
 前巻からちゃくちゃくと準備が行われてきた花寺学院の学園祭本番。と、祐巳が下級生と……?なカンジ。

 下級生との一悶着は祐巳もそろそろそういう時期なのか……。ということを思わせてくれましたね。可南子ちゃんはあのまま引き下がるのかな? それとも、また出てくるのか? ……出てきそうな気はするなあ……。

 でも、なにより今回の注目株は祐麒君アンド花寺学院でした。
 姉弟愛すてきすぎ!!
 しかも実は生徒会長だったんですか! とか、制服ボロボロって 学校ではなにやってるんですか……。とか、そもそも花寺学院のシステムが気になるぞ! とか、いろいろ思ってしまいました。
 祐麒は悩んでましたが、柏木さんとは違うタイプの生徒会長なんでしょうけどねえ。 (柏木さんが独断専行リーダータイプなら祐麒は調和を重んじるリーダータイプみたいな
 ぜひとも、祐麒が主人公で花寺学院が舞台の短編をひとつかいてほしいなあ……。スピンオフシリーズも可です。

 もちろん、いつものように紅薔薇姉妹愛は極甘でしたがね。余は満足じゃ(笑)

 評価点はユキチ君に乾杯ってことで4−で。
評価:4−  06/11/04読了
マリア様がみてる 真夏の一ページ』← →『マリア様がみてる レディ、GO!

ミカ!
(著:伊藤たかみ)  理論社
 双子のユウスケよりもプロレス好きで、ケンカっぱやく周囲からオトコオンナと呼ばれるミカ。ミカ自身もオンナよりもオトコオンナを 好んでいるが、おっぱいが大きくなり始めたミカを周囲の男の子たちはオンナとして扱い始める。
 二人の両親は別居状態で、もうすぐ離婚をしそうである。
 そんなおり、ミカは不思議な生物を発見する。団地に植えられた酸っぱいキウイしか食べない生き物なのか何なのか……というその生き物に ミカは‘オトトイ’という名を与える。ユウスケとミカは団地に通ってオトトイの面倒を見るが(キウイを与えるだけだが)、オトトイは次第に 人に見つかりそうなほど大きくなり始め……。
 芥川賞受賞作家の伊藤たかみさんです。
 とはいえ、受賞したから読んだんではないのですよ。以前、勤めていた書店で平積みしてあって、その題名が気になったのです。 「ミカ!」なんて何があった!というカンジがするじゃないですか。(しませんかw)

 さて、御託はともかく感想。
 正直、読んでいて、読む時期間違えたかな……と言う気がしなくもなかったです。小学6年から中学生くらいに読んでいたら 受ける感じが違ったかも知れない……。
 でも、間違いなく、良い作品ですよ。
 オトナの入り口に立ったミカの心の揺れが主人公の視点からうまく描かれていますし、小6の割にはませている主人公が ちらっと見せる小学生らしい呟きも良い感じですし。

 結局、オトトイの正体は分かりませんが、作品中で起こる他の事態はすべて地に足がついているから、ファンタジックな オトトイのことも妙に許せてしまいます。
評価:4−  06/11/05読了

マリア様がみてる レディ、GO!
(著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音)  集英社コバルト文庫
 前巻のケンカ別れから祐巳は可南子が気になっていた。しかし、祐巳に失望したという可南子はツレない。そこで、祐巳は自分が上級生だと言うことを 強調するという似合わない作戦に出て、みごと成功。可南子と話す機会を得る。
 二人は体育祭でそれぞれの所属するチームのどちらが勝つかと言うことで賭けを開始。祐巳が勝ったら可南子が学園祭までの手伝いを請け負う。 そして可南子が勝った場合は……?
 マリ見て15巻目は体育祭編です。

 予想通り、出てきた可南子ちゃん。押してダメなら引いてみろってことでうまく祐巳を翻弄してますが、自覚があってやっているのやら違うのやら……。 その辺に瞳子ちゃんはむかついてるのかもなと今、思った。

 女子校の体育祭の雰囲気は楽しかったですね。お嬢様学校の体育祭という割には普通というか実体験に即したカンジでしたが。 (お嬢様学校ぽいのは入場制限があるところだけでしたし)
 体育祭の準備段階から終了まで描かれていますが、だれることなく割とテンポ良く話が進んでいきますし、 競技の説明も丁寧で想像しやすかったですし。
 でも、祐巳がリレー出場っていうのはあまりにもお約束過ぎるだろっと思いましたが。

 まあ、祥子さまの学ラン姿が拝めたので満足です。
 令さまのカナリアカーニバルも気になるところでしたが(笑)

 令さまと言えば、実行委員にまでなってハッスルしまくっていた由乃さんですが、元黄薔薇さまの挑発で 急遽、妹問題が現実化してきたっぽいですね……。ここの姉妹はふたりだけで完結しているようなところが あるので、どんな子を由乃が妹に選ぶのかが非常に気になるところです。(もちろん、祐巳の妹選びも気になりますが)
評価:3+  06/11/06読了
マリア様がみてる 涼風さつさつ』← →『マリア様がみてる バラエティギフト

ミカ×ミカ!
(著:伊藤たかみ)  理論社
 中学生になったミカとユウスケ。お父さんには新たな恋人ができ、その人と結婚するかも知れない。
 ミカはシアワセという名前の青いインコを飼っている。よく脱走するシアワセはある日を境になぜかユウスケにだけしゃべりかけるようになった。 シアワセによると青い鳥は人を幸せにしなければいけないらしいが、幸せは未だに人を幸せにしたことがなく迫る寿命にあせっているのだという。
 ミカ×ミカ! という安直ながらもインパクトのあるタイトルがステキだと思う。
 前回同様、ユウスケの1人語り形式でストーリーは進んでいく。前巻よりも主人公たちの年齢が上がった分、対象年齢も 少し上がったかなという印象を持った。
 もっとも、前巻の最後でミカとユウスケは引っ越したので、周囲の人物は違う人ばかりで、前巻を知らなくても充分に楽しめますね。

 今回もインコが喋るという点以外は実に現実的。
 人を好きになるということを知り始めたミカのことをユウスケの視点で描かれていて、 一方でユウスケも人を好きになるという感覚を持ち始めている……。

 ネタバレになりますが、個人的には死んでしまったシアワセを埋める際にミカが「じゃーね」と軽く言うのが すごく印象的でした。
評価:4−  06/11/07読了

ハリー・ポッターと謎のプリンス 上
(著:J.K.ローリング 訳:松岡佑子)  静山社
 無事にOWL試験を通過したハリー、ロン、ハーマイオニーは卒業時に受ける次の試験のための科目を選び始める。
 スネイプの教えていた薬草学の成績が良だったハリーは、薬草学を諦めかけるが、担当教員が変わったことで、薬草学を受けられるようになる。
 そこで自分用の教科書が届くまでと貸してもらった教科書には謎の書き込みがしてあった。そのとおりにすることで、 ハリーの薬草学の成績は上がり始め……。
 ハリー・ポッター6巻目です。
 いくつかのストーリーが本当にこんがらがっているため、いちいちあらすじで説明するとえらいことになりそうなので、途中で やめましたが。

 5巻目はハリーをはじめとして、登場人物がいらついていて、非常に読みにくかった覚えがあるのですが、 今回は読み進めやすいですね。
 やけにこまかく伏線回収してるなあなんて思ったところもありましたが。(伏線回収なんだろうなと思ったけれど、もとの伏線の場所は 分からなかった……)
 あと、登場人物も増えてて、一覧を本の中に作って欲しいなあとか思わなくもなかったです(ふくろう通信の方に付いてると思うんだけど、 学校の図書館で借りてきたらついてなかったので…)ルシウスとシリウスが頭の中で混ざったのは本当に笑い種さ……。
 あとは訳文のせいなのか、もとからなのかわからないですが、ハリーが人を好きになる気持ちってのがうまく伝わってこない気がします。 ロンとハーマイオニーはまだわかりやすいんだけど。まあ、ハリーは他に考えなきゃいけないことが多くて忙しいもんね。

 まあ、なんだかんだで下巻借りてきます。
評価:3+  06/11/12読了
→『ハリー・ポッターと謎のプリンス 下

月色光珠 暁の野に君を想う
(著:岡篠名桜 イラスト:風都ノリ)  集英社コバルト文庫
 夏の長安、相も変わらず茶館で働く琳琅のもとを琳琅の母と琳琅の幼なじみである馮生が訪れた。しばらく滞在するという二人。
 普通に観光を楽しむ琳琅の母の一方で、馮生は医者の勉強をすると医者に弟子入りするかたわらで義父の形見である珠の謎を探っていた。 そんなおり、馮生は何者かに襲われてしまう。
 馮生を心配する琳琅だったが、隠密であり事情を知っていそうな魏有は思わせぶりに深追いはするなというだけであった……。
 そして馮生は………。
 中華ラブストーリー第二弾。

 気が向いたので一巻を読み直してから、二巻を読んでみました。(だから、なんだ)
 琳琅は魏有の正体を知っているので、相手の正体をばらしちゃいけない、邪魔しちゃいけないと終始、欲望と戦う姿が楽しかったですね。もちろん、 その一方で、幼なじみとの交流を深めて心配したりして。そんな琳琅(いや、馮生にか)に無表情ながらも嫉妬している魏有も良かったです。
 お前ら両思いじゃんかよっ! というつっこみをしたいのは山々ですが、まあ、魏有も自分の立場を考えるとそんなに積極的には出ていかんだろうしな……。

 幼なじみ登場なのにラブフラグはあんま、なかったすね。そういえば〜。まあ、私は‘主人公にライバル登場!恋をかき回す’というシュチュエーションが 好きじゃないものでこれでいいんですが(笑)

 割と地味な感じの話で、ラブ展開はオーソドックスな感じがしますが、今後も楽しみなので、次巻がでたら読むと思います。
 これで茶館の女中さんもひとり減ったし、次あたりは天花茶館のおかみさんの話な気がする……。
評価:3+  06/11/16読了
月色光珠 黒士は白花を捧ぐ』←

ダークローズ・プリンセス 蒼炎の輪舞
(著:榎木洋子 イラスト:左近堂絵里)  角川ビーンズ文庫
 クリスマスが近いある日、たまたま出かけたショッピングモールで真夜は死んだはずの母親と双子の姉である真朝の 姿を目撃する。  母親の魂の平穏を願う真夜は真朝の手から母親の魂を奪還することを決意するが………。
 はい、毎度。榎木さんです。
 ダークローズ・プリンセス2巻目ですね。

 このシリーズは「影の王国」シリーズ前半の現実世界が舞台だった辺りををやや彷彿とさせるかな……。アレよりは世界観が弱い感じだけど。
 やっぱり不評だったようで敵キャラ語尾の☆とか♪はなくなってますね。読者の感想を柔軟に取り入れちゃう辺りがいいんでしょうが、 ☆とか♪とかなら貫いても無問題だったんでは?とも思いますけどね。それがそのキャラの個性だ!と言い切れるならば。(この方、 以前に別の本(たしかサキトシリーズ)で、地の文の助詞をわざと抜かすという書き方しましたからねえ。それはさすがに 読みにくいなあと思いましたが)

 さて、今回の主題は母親の魂の奪還。幼い頃に死んでしまった真朝の「母親が欲しかった」という感情は理解しやすかったですし、 一方の真夜の「でも、そのままにしておくわけにはいかない」というのも理解できましたので、この対立自体は非常に すんなりと受け入れられました。
 新キャラのイオは真朝側に付いてますが、まだ謎多きキャラですね。真朝との本格的対立もまだまだ先でしょうし。
 個人的に一番気になったのは、物語前半の地の文で‘(レイヴェンの)○○なところが真夜は嫌いだ’みたいな文が2,3カ所見受けられて、 だから真夜は基本的にレイヴェンに頼ろうとしないのかな〜と思ったのですが、それにしては彼女って自分の弱さに対して自覚的じゃなかった気がします。 まあ、持ってる力は大きいらしいですし、ある程度は力任せでOKぽいですが。今後、特訓していきそうな感じもしますし。(特訓はキャラ的に似合わないかな)

 よく考えると鞭って絵にはなるけど、実際には扱いにくそうな武器ですよね。
 アルダシリーズよりはましなラストになると信じて今後も読んでいくつもりです。
評価:3  06/11/20読了
ダークローズ・プリンセス 黒の騎士』←

ハリー・ポッターと謎のプリンス 下
(著:J.K.ローリング 訳:松岡佑子)  静山社
 ダンブルドアはハリーに薬草学教授の記憶を入手するように宿題を出す。ハリーは他にも用事があったために うっかりとその宿題を忘れてしまい、ダンブルドアを失望させてしまう。
 本気で宿題に取りかかったハリーは今期一回目の薬草学の授業で勝ち取ったフェリックス薬を飲み、みごと記憶の入手に成功。
 そして、その記憶を見終わったダンブルドアとハリーは日を改めてヴォルデモートの戦力をそぐためにあるものを壊しに行き……。
 ハリーポッター6巻の下巻です。

 なんか言いたいことがけっこうあった気もするんですが、読了日からかなり日が開いているためにうまく思い出せません。
 プリンスの正体は思わず「あんただったんかい!」と声に出して突っ込んでしまったんですけどね。
 そして、あの人の死亡もなあ。もうちょっと意味のある死に様を用意してやれよ、ローリングさん。ダレン・シャンといいハリー・ポッターといい 庇護者の死に様ってのは後で意味がなかったみたいになるのが児童書の王道なんですかい?

 読むのは読みやすくて面白かったですね。

 壊しにいったあるモノ、まだ6つはあるハズなんですが、ハリー・ポッター、七巻できちんと終わるんでしょうか……。
評価:4−  06/11/24読了
ハリー・ポッターと謎のプリンス 上』←

今月の感想数 9冊

今月のお気に入り
1位『ミカ!
2位『ハリー・ポッターと謎のプリンス 下
3位『マリア様がみてる 涼風さつさつ


感想数少ない上にシリーズものばっかりでしたね(苦笑)



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