2007年03月分の感想
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アナトゥール星伝15 空色の水晶王(セレスティア)
(著:折原みと イラスト:折原みと)  講談社X文庫ティーンズハート
 シュラ王子の母の故郷、シルファード公国を訪れたユナたち一行。  水の王国と呼ばれるシルファード公国で優雅でロマンチックな旅を期待していた一行だが、 そこに待っていたのは民たちから泥土王(ヘロディアス)と呼ばれる兄と癒しの力を持ち民たちから水晶王(セレスティア)と 呼ばれる弟の王位を巡る陰謀だった。
 ずいぶん前に読んだ気がしましたが、一応再読。実際、忘れてましたしね。

 折原みとの文章の読みやすさというか、軽さ(褒めてない)は、最近のケータイ小説に通じるモノがあるなあ〜と感じました。
 なんつーか、地にまったく足の着いてない物語というか……。まあ、たまにはこういうのもいいんでしょうさ。ここまで読んできたので、 完結まで追いかけたいですしね。
評価:2  07/03/04読了

モップの精は深夜に現れる
(著:近藤史恵 イラスト:飯田貴子)  実業之日本社
 明るくキュートで有能な清掃作業員、キリコ嬢。彼女が出会うのは部下や愛娘とのコミュニケーションに悩む中年課長。取引先の仕事や身内の関係に 溜息をつく女性ライター、同じ事務所でつき合っていた男に二股をかけられたモデル。彼らが遭遇した謎をキリコ嬢が解明していく。
 そしてキリコ自身もとあることで悩んでいて……。
 やっぱり私はこういう日常のちょっとした謎系統が好きですね。
 面白かったです。

 このおもしろさは、やはり、主人公であるキリコ嬢の明るさや、気配りに起因するモノなんでしょうけどね〜。こんなふうに いろんなことに気づいていける人になりたいものです。
 でも、前半3編でキリコの明るさが際立つからこそ、4編目のキリコの悩みも引き立つんですよね。仕事もバリバリできて、いつも明るくて…… そんな彼女でも悩んでいるんだなと思うと、ちょっとホッとしちゃったりして(笑)

 短編ばかりなのでミステリー読みには物足りないのかもですが、ぬるミステリ読みには心地よいです(笑)
評価:4−  07/03/08読了
→『モップの魔女は呪文を知ってる

時間のない国で 下
(著:ケイト・トンプソン 訳:渡辺庸子)  東京創元社
 ‘ティル・ナ・ノグ’で、フィドル奏者のアンガスとともに時間漏れの原因を探すJJ。そしてたどり着いたのは意外な結末で……。
 時間漏れ、そんな理由だったんだ!!

 と思ってしまいました。
 犯人も辛抱強いというか、ねちっこいというか……。JJの機転はさすがでしたけどね。

 ストーリー自体はわりにシンプルでさくさくっと読めたので良かったですね。もうちょっと書き込んでくれていても良いかな〜とは思いましたが、 人物が分からなくなりそうな気もする……。

 ケルト神話とか知ってたらまた別の読み方が出来るのかもな〜、ちょっと残念。
評価:4−  07/03/11読了
時間のない国で 上』←

涼宮ハルヒの憂鬱
(著:谷川流 イラスト:いとうのいぢ)  角川スニーカー文庫
 「ただの人間には興味はありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら私のところにきなさい」高校入学してすぐの ホームルーム、自己紹介の席でこうのたまったのは涼宮ハルヒ。だまっていれば美人だが、中身はのたまったとおりのモノに本気で出会いたいと 望み、行動するぶっ飛んだお嬢さんだった。
 なぜかハルヒに気に入られたキョンはハルヒとともにSOS団という同好会を設立する。
 今更、ハルヒ? とか突っ込まれようと気にはしません。ハルヒです!

 「面白かったか」「面白くなかったか」の二者択一であれば、間違いなく「面白かった」の方を選びます。ただ、私の中での基準に 照らし合わせれば「ふつうに面白かった」という水準にとどまります。
 あらすじに引用した言葉に始まる物語は立て板に水の勢いですごくテンポがよいですし、キャラ立ちも秀逸。多くの人から「面白かった」という言葉を 獲得できるんじゃないかなとは思いました。ただ、それに‘すごい’という形容詞をつけられるかというとそこまでは面白くなかったな、というのが 本音です。

 まあ、純粋にテーマとかが好みじゃなかったとかそういうのもあるでしょうし、意識してはなかったですが、前評判聞いてるので期待があったのかな とも思います。
 語り部キョンのぼやき進行はちょっと戯言シリーズを彷彿とさせました。(楽しいけど、ちょっとうざいな・・みたいな)

 まっ、続きが待機してるので続きに行きます。
評価:3+  07/03/17読了
→『涼宮ハルヒの溜息

アナトゥール星伝16 風色の自由王(リヴァース)
(著:折原みと イラスト:折原みと)  講談社X文庫ティーンズハート
 アンフォラ国でかつて奴隷たちだった自由民。彼らは自由王(リヴァース)と呼ばれる人をリーダーにアンフォラ国からの独立を望んでいるらしい。
 その自由王はどうやら海賊王(ファルカス)ことアレスのかつてのあこがれの海賊だったヴァン・ブルーらしく……。
 実習中の現実逃避にはこれくらいの軽さがちょうど良かったですねw ばしばし進むページ……(ダメぢゃん)
 超・ご都合主義な展開。(だって普通に考えてアナトゥールくらいの時代背景で「自由王が新たなる陸を求めて旅立ったヴァン・ブルーらしい」とか言って 信じるか? しかも各国王様連れ立って行動しすぎですって……。)
 まあ、ね、そういうもんとして読むしかないんだけどね……。(私が成長しちゃったってことなんだろうな〜)

 火炎姫が自由王に恋しちゃうくだりだけがちょっと印象的だったかなあ……(ちょっとだけだけど)
評価:2+  07/03/19読了

アナトゥール星伝17 愛色の女性伝(レディエンド)
(著:折原みと イラスト:折原みと)  講談社X文庫ティーンズハート
 新大陸を探す大航海に出たアレスはついに新大陸を発見する。その新大陸で彼らは救い主(メシュカ)と呼ばれて歓待され、女神官アピカ嬢と アレスは良い感じになっていく。しかし、彼らにまつ運命は……。
 はい、ご都合主義!!
 そんなにうまく新大陸につくか!とか言いたいけどそこはぐっとこらえておきます。(言ってるし)

 あ、火炎姫の印象が強まってるのはこっちに短編が載ってるからか……。
評価:2+  07/03/21読了

涼宮ハルヒの溜息
(著:谷川流 イラスト:いとうのいぢ)  角川スニーカー文庫
 せまりくる文化祭にハルヒはやる気満々。何をするのかというと、朝比奈みくるを主演に映画を撮るのだという……。  その映画の撮影と同時に現実にも影響が現れ始め……。
 ハルヒ2冊目。

 読み始めはテンポは良いけど引き込まれないな〜と感じてましたが、途中からはきちんと読むことが出来ました。
 ただ、超監督を名乗るハルヒがどんなストーリーを撮りたいのか明言してくれないのがけっこうストレスだったかな。私もどちらかというと 朝比奈みくるのプライベートビデオの方がみてみたい気がしてしまいました。

 宇宙人、未来人、超能力者、各陣営の涼宮ハルヒのとらえ方が微妙に違うのは面白かったかな。ただ、超能力者のしゃべり方がもうちょっとわかり やすくならんかな〜と思ってしまいました。わけがわからなくて何度も読み返してしまいましたし。

 以下、ぼやき。
 あと、新キャラの鶴屋さんの登場にはやや唐突なモノを感じましたが、別掲載の短編でもあるんでしょうか……。(あ、次巻か)
 それにしても、なぜ、長門さんはずっとあの衣装だったのだろうか……。
 あ、演劇部出身の身には「バミる」って言葉が妙に懐かしかったです。
評価:3+  07/03/25読了
涼宮ハルヒの憂鬱』← →『涼宮ハルヒの退屈

レインツリーの国
(著:有川浩)  新潮社
 10年以上も前に読んだライトノベルシリーズの結末。他の人の感想が気になった伸行はふと思いついてネットで検索をかけてみる。 そして出会ったサイトは「レインツリーの国」。伸行が不満に思っていたそのラストに、同意しながらも、今だからこそわかるという感想にとても惹かれ、 伸行は管理人にメールを送ってみることに。管理人であるひとみもいやではなかったらしく、ふたりはメールのやりとりを繰り返す。
 そして伸行はひとみに「実際に合ってみないか」と持ちかけるが、ひとみは難色を示し……。
 ラブロマ!!

 「図書館内乱」と一部リンクの小説です。いつものように 図書館で予約をかけましたがいつもよりけっこう待ちましたね〜。それだけ人気があるってことなんでしょうけど。
 でも待ったかいはありました。あとがきだけ読も〜とか思っていたら、いつのまにか読了しちゃってましたし。

 思わず管理人に直接メールを送ってしまう伸行の気持ちもわかるし、そしてそこから交流が始まっていく。ちょっと前のネットならこういう カンジだったのではないかな〜。今も一部ではそうかもしれないですけれども。
 そして彼女が会うのをためらう理由、これはまあ、「図書館内乱」から読んだので知ってはいましたが。
 有川さんは題材をよく調べて、それを飲み込んでから、物語にするんだろうな〜と改めて思ってしまいました。

 白状すると、私は障害者を白い目で見てしまう方で、ダメだな〜と自覚はしているのですが、なかなか治りません。
 この本を読んでたら、障害者であっても健常者であっても人は皆、多かれ少なかれ悩みを持ってるんだな。 当たり前だけれど、それに改めて気づかされました。お互い、いい部分もダメな部分もあって、それで当たり前なんだよな、と。
 そんな当然のことをさらっと書くんですよね〜。

 伸行はさすがに限界があると本人も言ってはいるけれど、それにしてもかなり器が大きい方だと思いますね……。2塁打ナナコちゃんもそりゃ惚れますわ。 この器の大きさは見習いたいとこだけれど、むりそうだわ(汗)
 そして伸行の助けを得て、一皮むけたひとみさんもちょっと可愛くて、かっこよかったです。(あの字でひとみとはちょっと驚いた)
 恋が続くとは限らないなんてトコが妙にシビアでいいな……と思いましたね。
 二塁打ナナコ嬢も「自分は可愛さが売りだ!」と自覚しているところはけっこう頭が良いんじゃないかなと思いました。

 以下、ぼやき。
 その気持ちは分からなくはないのですが、隠して健常者ぶって、ばれたり被害にあってから「私、障害者だから」ってのは、やはり卑怯だと思いますね。 謝りはするけど、「最初に言ってくれれば配慮したのに!」というしこりが心に残りそうです。言わないと配慮できないというのは悲しいことだと思いますけど ね……。
評価:4+  07/03/25読了

涼宮ハルヒの退屈
(著:谷川流 イラスト:いとうのいぢ)  角川スニーカー文庫
 ハルヒと出会ってから退屈知らずのキョンだが、ハルヒは相も変わらず退屈を感じているらしく、やれ草野球だのやれ七夕だのと引っ張り回される。 挙げ句の果てには夏合宿と称して泊まりに行った無人島ではある事件に遭遇し……。
 雑誌掲載の短編と書き下ろし中編をまとめた一冊。

 だいぶ私が彼らのキャラに慣れてきたせいか、落ち着いて読むことが出来ました。
 鶴屋さんとか妹とかはこれから準レギュラーになりそうな気配ですね……。

 そして、読了後にはなんでもできる宇宙人、長門さんの好感度が急上昇してました。こりゃあ長門さんの人気も出るわなあ。
評価:3+  07/03/28読了
涼宮ハルヒの溜息』← →『涼宮ハルヒの消失

今月の感想数 9冊

今月のお気に入り
1位『レインツリーの国
2位『モップの精は深夜に現れる
3位『時間のない国で 上


ラノベが入ってない……。



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