2005年9月分の感想
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女子大生会計士の事件簿  (著:山田真哉)  英治出版
 公認会計士二次試験にようやく合格した新米会計士補・柿本一麻が、現役女子大生でありながら 公認会計士である藤原萌実に振り回されながら、監査で起こる事件を乗り越えていく。
 学校の図書館になければ出会わなかった本でしょう。公認会計士なんて職業があることも 初めて知りました。そんな人でも公認会計士の仕事がわかりやすく書いてあるので、楽しく読めて、 しかも小説としてもまあまあ。
 キャラとしてはやはり現役女子大生でありながら、部下の柿本をいいように使う萌実ちゃんが 見ていて楽しいです。締めるところは締めてるし。…でも、いつ大学に行っているんだろう?

 続きが出ているようですね。
評価:4  2005/09/02読了

きみとぼくの壊れた世界  (著:西尾維新 イラスト:TRGRO)  講談社ノベルス
 究極のシスコン兄、櫃内様刻と究極のブラコン妹、櫃内夜月。ふたりは禁じられた一線を越えつつあった。 そして、様刻の友人、迎槻箱彦と琴原りりす。
 学園内で起こった殺人事件、殺された数沢六人に最後に会ったのは、様刻と迎槻箱彦と琴原りりすだった。 様刻は保健室でひきこもっている、耳年増の病院坂黒猫とともに事件の解決に乗り出した。
 戯言シリーズの西尾さんですな。(りすかシリーズは未読)この人の著作も元ネタがわかっているとクスッとくる箇所が多い気がしますが、 知らなくてもそんなに「んんっ?」とはならないので、そこらへんに問題は無し。
 あらすじだけでは『フリッカー式』と同じシスコンものに思え、また地雷だとやだなとか思いながら読みましたが、事件の方向性がまったく違ったのでよかったです。こちらの方はミステリだと思いますし。でもそのトリック自体はたいしたことないのではないかと思います。私は読んでいる途中にあまり犯人当てをしないので普通に読んでいってましたが、犯人当てをするようなミステリに慣れた人はおそらくわかるのではないでしょうか。
 主人公の思考と黒猫の回りくどい台詞(黒猫好きキャラですが)にはちょっと辟易し、飽きそうになりましたが、全体としてはまあまあ楽しめました。
評価:3+  2005/09/05読了
→『不気味で素朴な囲われた世界

天国の本屋  (著:松久淳+田中渉)  かまくら春秋社
 就職難の現代。さとしは秋ももうすぐ終わろうかという季節になっても就職が決まらなかった。 神も仏もない気分でコンビニにいると、アロハシャツにバミューダパンツという怪しげな男が現れた。
 さとしは気を失い、気づくとそこはコンビニではなく現世でもない、天国の本屋だった。
 男はさとしを短期バイトの店員として雇い、さとしはこの本屋の売り物である、朗読サービスを受け持つことになる。
 なんだか題名を聞いたことがある気がしたので借りてみました。映像化されてるんですね。
 ストーリー自体は短いしすごくオーソドックスに感じます。文章も難しい言い回しは無いので、すらすらと読めて 普段あまり本は読まないんだけど、という人にも読みやすいんじゃないかなと思います。ハートウォーミングな話だし。
 装丁が横書きなのは珍しいなと思ったんですが、水彩画のタッチと言い、絵本風なんですよね。ストーリーと 相まって、大人の絵本という感じを受けました。

 朗読と聞いて、小さい頃、母に寝る前に必ず本を読んでもらっていたことを思いだしました。
 自分ならどんな本をさとしに読んでもらいたいと思うかということも頭をよぎりました。

 本を読み慣れている私にとってはちょっと短いかな。
 同じ世界設定でもうちょっとロングなストーリーを読みたいなと思いました。
 家族や友達の普段あまり本を読まない人にこそお勧めしたい本です。
評価:4  2005/09/13読了
← →『天国の本屋 恋火』

サイコロジカル(上) 兎吊木核輔の戯言殺し  (著:西尾維新 イラスト:)  講談社
 玖渚友とともに斜道博士の研究施設を訪れた、戯言遣いこといーちゃん。
 目的はこの研究室にとらわれているらしい玖渚友のかつての仲間(チーム)兎吊木核輔を助け出すためである。
 はたして、助け出せるのか
 実は戯言シリーズを読み出したきっかけはこの巻が目にとまったからという個人的曰く付きの巻だったりします。

 役者がそろって、殺人が発覚したところで上巻は終了。なんだかアニメのコナンの前後編の前編みたいな構成です。

 実は今、お約束を破って、下巻のエピローグ読んじゃいました・・。
 うわあ、そーなの。生きてるの。どうしてどうして。
 と、そんなことを考えながら下巻を最初から読むつもりです。
評価:3+  2005/09/15読了
← →『サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄

サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄  (著:西尾維新 イラスト:)  講談社
 斜道博士は玖渚友を容疑者と断定して玖渚友といーちゃん、そして保護者としてついてきた鈴無音々を檻に閉じこめた。
 いーちゃんは侵入者である石丸小唄とともに玖渚友の無罪を証明するため事件解決に挑む。
 邪道ながら先に真相を読んでしまったので、今回はどうしてそうなるのとか思いながら読んでました。
 わかりませんでした・・・。
 推測はつくんですけどね。もともと戯言シリーズってすっきりきっぱりはっきりな解決編はないですから。
 煙に巻かれる推理小説と心の中で呼んでます。

 個人的にはクビツリハイスクールの彼女が出てきたのが意外でした。いーちゃんが彼女に電話をかけるのも意外でしたけど。 病院に入院してそのままかと思っていたので。

 徐々に玖渚友といーちゃんの過去に話がおよんできていますね。
評価:3+  2005/09/18読了
サイコロジカル(上) 兎吊木核輔の戯言殺し』← →『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹  (著:西尾維新 イラスト:)  講談社
 前作の事件の後いーちゃんのもとへ転がり込んできた春日井春日研究員。彼女はある日、拘束衣にマントという怪しすぎる少女を拾ってきた。
 少女といったん別れたいーちゃんだが夏休みのバイトの検査の日、山奥の元診療所という寂れた研究所で少女と再会する。
 そして帰ろうとしたいーちゃん一行だが、それぞれのバイクや車のタイヤがすべてパンクさせられているという事態になり、 研究所での宿泊を余儀なくされる。
 そして翌朝、いーちゃんの見たものは、宿泊していたいーちゃん以外のメンバーの死体だった。
 この戯言シリーズは分厚くても、まだこんだけとか思うことがないですね。読むことにストレスをあまり感じないというか。
 個人的にはやっぱり彼女の死が意外でした。ここで死ぬんだ?って感じで。あと、春日井さんがこんなキャラだったっけ?と思いながら読んでたんですが、 まあ、前巻しか登場して無くて、あまり登場シーンも多くはなかったのでこんなもんかもしれませんが。
 好きなシーンはいーちゃんと人類最強さんのデートシーン。なんだかいつもの二人より殺伐さがなくて好きでした。
 玖渚ちゃんは前巻で見せた二面性を今回もちらっと見せてますね。彼女に関して気になるキーワードもちらりほらり。
 次巻に向けてラスボスも登場しているし、気になるところです。
評価:3+  2005/09/25読了
サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄』← →『ネコソギラジカル(上) 十三階段

今度はマのつく最終兵器!  (著:喬林知 イラスト:松本テマリ)  角川書店
 再び、魔王世界に召喚されたユーリ。魔王だけが使えるという、魔剣‘モルギフ’を手に入れるために人間のいる国に旅立つことに。
 相変わらず、コメディです。元ネタがわかっていないとわからなくて笑えないこともありますが。 (ユーリがしょっちゅう‘モルギフ’の名前を間違っていたけれど、私はちょっと元ネタがわからない)
 旅の相棒、カクさんことコンラッドさんは相変わらずいい人オーラ振りまきまくってますな。人気があるのはわかる気がします。 もし、人気投票(強制)だったら彼かユーリに投票しますので。
 個人的に笑ったのは「前回、モルギフが発動したときは牛が空を飛んだとか」ユーリも反応してましたが、私も好きなんです。あのシーン。
 あとは、猫の鳴き声でしょうか。そ、そんな鳴き声なんですか・・・。
評価:3  2005/09/27読了
今日からマのつく自由業!』← →『今夜はマのつく大脱走!

ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス  (著:上遠野浩平 イラスト:緒方剛志)  メディアワークス
 織機綺は料理学校の同級生である蒼衣秋良とともに出かける。  彼らの乗った山越えをするバスが、もう一台のバスとすれ違ったとき、その山は異界と化した。
 ブギーポップシリーズ最新刊。普段は古本化待ちですが、所用があったので新刊を購入。
 今までと少し、方向性が違いますね。今までは登場人物は非現実的でも舞台は現実世界でしたが、 今回は違いますね。でもそれで評価が高いかというと・・・そうでもないんですが。
 周囲から切り離された二人がどうやって抜け出すかというのが本筋ですが、今回はその他に謎をばらまきまくっているので すっきりとしません。
 個人的には好きなキャラである霧間凪が登場しているにもかかわらず、活躍はせずに話を聞くだけだったのが少し不満です。
 つぶやき一応反転→凪の母親ネタは後付けなのだろうと推測します。舞台となっている‘牙の痕’は虚空牙を推測しやすい名前がついてはいますが 徳間デュアルの方を読んでいないと難しいだろうなとは思います。
評価:3−  2005/09/28読了
→【ブギーポップ特設ページ
→『ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟

 今月の感想数 8冊



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